「このタイヤって減り易いのかな?」
「グリップはどうなの?」
ご来店されるお客様のタイヤ選びのお手伝いをさせて頂いていると、このような質問をお受けする事が多いです。今回のエントリでは、そんな時に役立つ指標のお話をさせて頂きます。
【U.T.Q.G.(統一タイヤ品質格付け)規格】
こんな言葉を耳にされた事はありますでしょうか?
U.T.Q.G.(統一タイヤ品質格付け)規格とは…
米運輸省が規定した、タイヤの耐摩耗性(TREADWEAR)、トラクション(TRACTION)、耐熱性(TEMPERATURE)に関する基準で、これを刻印しないとアメリカでは消費者に対してタイヤを販売する事が出来ません。日本では義務づけられてはおりませんが、国内・海外メーカー問わず、この国で販売されている製品にも度々見受けられます(多くは米国でも販売されているモデル)。
折角こういった情報が開示されているわけですから、タイヤ選びに使わない手はありません!!以下で意味等を説明していきますので、ご参考にされてみて下さい。
・TREADWEAR(耐磨耗性):政府指定のテストコースで行ったテストに基づいた比較格付け値です。例えば、下の写真のタイヤは100等級のタイヤに比べて2.4倍の耐摩耗性があるということになります。
FEDERAL SS595。当店でも豊富に取り扱っております♪
・トラクション(TRACTION):AA、A、B、Cの等級があり、アスファルト及びコンクリート路面の政府指定コースの一定の条件下で行ったテストで、路面が濡れた道路でのタイヤのストップ性能を格付けしたものです。Cの表示があるタイヤは、トラクション性能が低いということになります。
写真は当店でも取り扱っておりますFEDERALのSS595 RS-R。流石はハイグリップタイヤ。トラクションの等級は最高のAAを叩き出しております(反面前述のTREADWEARはいまひとつかも。ハイグリップタイヤの宿命ですね)。
※タイヤに表示されているトラクション等級は、直線コースのブレーキテストに基づいたも のであり、加速、コーナリング、アクアプレーニング現象、トラクションのピーク性能などは考慮されていません。
・温度(TEMPERATURE):A、B、Cの3等級。これは、タイヤがどれだけ発熱しにくいか、どれだけ熱を放出できるかなどを、ホイールに装着して一定の条件下でテストしたものです。高温状態が長く続くとタイヤの品質が落ちて寿命が短くなります。また、過剰な熱は突然のタイヤトラブルを引き起こす可能性があります。
C等級はアメリカの連邦自動車安全基準No.109によって全ての乗用車タイヤに義務づけられている基準です。B等級とA等級は、政府が法律のよって定める最低レベル以上の性能を実験室のテストホイール上で証明したタイヤです。
KENDAのKR23。お手ごろ価格のタイヤですが、放熱性は非常に高いです。前述のTREADWEAR値は脅威の460!!安いだけじゃないんです!!
※この温度等級は、適正に充填されたタイヤを過度な負荷をかけずにテストした結果の格付けです。過剰なスピード
、十分に充填されていないタイヤ、過度な負荷などは、タイヤの発熱につながり、タイヤがトラブルを起こす可能性があります。
高いお金をお支払いされて買われるタイヤですから、こういったデータを比較検討の材料にして、賢く、お手軽に、リーズナブルなカーライフをお過ごし下さい♪
参考資料:ピレリタイヤ タイヤについて(P4)